
マンションの駐車場が空き続けると、駐車料金の収入が得られず、マンション管理に必要な財源の確保が難しくなります。
そこで今回は、マンション駐車場の有効活用方法の一つである「外部貸し」について解説します!
外部貸しとは?
マンションの駐車場に空きがある場合、有効活用する方法の一つとして「外部貸し」があります。外部貸しとは、空いている駐車場を、マンションの住人以外の第三者に貸し出して収入を得る方法です。
多くのマンションでは、駐車場の収入を管理費や修繕積立金に充てています。しかし、駐車場の空きが増えると、その収入が減り、管理費や修繕積立金が不足する原因となることもあります。
対策として、既存の駐車場料金を値上げする方法も考えられますが、それが原因でさらに利用者が減り、空きが増えてしまう可能性もあります。そのため、駐車場の空き問題は放置せず、適切な活用方法を検討することが重要です。
注意点
駐車場を外部に貸し出す際には、いくつかの重要な注意点があります。トラブルを避け、スムーズに運営するために、しっかりと確認しておきましょう。
税金がかかる
外部貸しによって収益を得た場合、事業とみなされて法人税などの税金が発生するケースがあります。
駐車場収入の改善を目的に外部貸しを始めたとしても、税負担によって期待したほどの利益が得られない場合があります。そのため、外部貸しを検討する際は、税金の影響を十分考慮することが重要です。
国税庁は、収益事業に該当するケースと該当しないケースについて、以下のような基準を示しています。
収益事業に該当するケース
・マンション区分所有者かどうかを問わず集客し、使用条件が区分所有者と外部利用者で同じ場合
→ 駐車場の使用全体が収益事業とみなされる
・区分所有者の希望がない場合のみ外部貸しを募集し、区分所有者を優先する条件がある場合
→ 外部貸しの部分のみ収益事業とみなされる
収益事業に該当しないケース
・外部貸しが臨時的かつ短期間で行われる場合
→ 全て非収益事業とみなされる
トラブル発生のリスク
外部貸しを行う際には、いくつかのトラブルが発生する可能性があります。
代表的なトラブルの例を挙げてみましょう。
- 外部の利用者が指定されていない駐車場を使用する
- いたずらなどの迷惑行為
- 盗難や車両の損傷
セキュリティの問題
外部貸しをすることで、マンションの住人以外の人が敷地内に出入りすることになります。そのため、不審者の侵入リスクが高まる可能性があり、セキュリティ面での対策が必要です。

私はマンションに住んでいますが、セキュリティの高さを重視して選んだため、外部の人が自由に出入りできることには不安を感じてしまいます。
住人からの理解を得るためにも、事前に対策を行いましょう。
対策
こうしたトラブルを避けるための具体的な対策をご紹介します。
利用規約を明確にする
外部貸しを始めるには、まずマンション管理規約の変更が必要です。一定数の住人が外部の人と駐車場を共有することに同意するため、十分な理解を得ることが求められます。明確で詳細な利用規約を作成することが重要です。
駐車場の利用時間、使用可能エリア、禁止事項、緊急時の対応方法などを記載し、トラブルを防ぐためのルールをしっかりと定めましょう。
防犯カメラの設置・増設
多くのマンションにはすでに防犯カメラが設置されていますが、外部の利用者が増えることで死角が発生する可能性があります。
マンション内の防犯体制を強化するために、防犯カメラの増設を検討することをおすすめします。また、カメラの映像を録画し、後から確認できるようにしておくと、万が一のトラブルにも迅速に対応できます。
定期的な巡回
駐車場の状況を定期的に巡回することで、トラブルを早期に発見することができます。
例えば、駐車スペースの使い方がルールに反している場合や、不審な行動をしている人物を見かけることがあるかもしれません。
巡回中にトラブルを発見した場合は、すぐに対応できるようにし、住人にも報告できる体制を整えておきましょう。
異常をすぐに通報できるシステムの導入
巡回だけでは防げないこともあります。特に、深夜や早朝に異常が発生した場合は、対応が難しくなります。
そこで、異常をすぐに通報できるシステムの導入を検討しましょう。駐車場内で何か問題が発生した場合、住人や管理人がすぐに通報できるように、専用のアプリや連絡体制を整えておくと、迅速な対応が可能になります。
これにより、常に監視が行き届いているという抑止力にもなり、住人や利用者にとって安心感が生まれます。
まとめ
マンションの駐車場の空きスペースを放置すると、管理費や修繕積立金の不足を招く可能性があります。
そこで、住人以外の第三者に駐車場を貸し出す「外部貸し」という選択肢がありますが、税金やセキュリティの面で注意すべき点がいくつか存在します。
外部貸しを進めるにあたっては、住人の理解を得るための対策を講じ、しっかりと準備を整えることが重要です。トラブルを避け、安全に運営できるよう、対策をしっかりと行いましょう。