
近年どの業界にもキャッシュレス化の波がきており、駐車場経営においても求められるものとなりました。今回は、そんなキャッシュレス決済の種類とメリット・デメリットについて解説します。
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いを行う方法のことです。主に、クレジットカードや電子マネー、QRコードを使った支払いがこれに当たります。
コインパーキングにキャッシュレス決済を導入することで、現金の回収に必要な人手を減らし、人手不足の解消が期待できます。また、インバウンド需要に対応できるだけでなく、利用者の利便性向上にもつながります。一方で、セキュリティ面でのリスクが増える可能性もあるため、その対策は重要です。
コインパーキングにおけるキャッシュレス決済の種類
コインパーキングには、専用のアプリを使用する方法、QRコードを読み取って決済する方法、ナンバー認識システムを利用した決済の3種類があります。
駐車場決済アプリ
利用者が専用の駐車場決済アプリをダウンロードして決済するシステムです。
駐車場のシステムによって仕組みが異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
仕組み
- 入庫 初回はアプリをダウンロードして情報を登録し、その後アプリを起動して駐車場に入庫します。
- 精算 アプリ上に駐車料金が表示され、登録済みのクレジットカードや決済サービスで支払いを行います。
- 出庫 支払いが完了した後、ゲートが開き、出庫できます。
QRコード読み取り
利用者がスマートフォンでQRコードを読み取って決済するシステムです。専用の駐車場決済アプリをダウンロードする必要がありません。
こちらも駐車場のシステムによって異なる場合もありますが、一般的な流れは以下の通りです。
仕組み
- 入庫 駐車場内に掲示されたQRコードを利用者が読み取ると、ゲートが開いて入庫できます。
- 精算 駐車場内に掲示されたQRコードを利用者が読み取ると、料金が表示されます。決済にはQR決済(例:PayPay)や電子マネー、クレジットカードが利用できます。
- 出庫 支払いが完了した後、ゲートが開き、出庫できます。
基本的にはこの流れですが、入庫時にQRコードを読み取って駐車料金が計算される前払い式の場合もあります。
ETC決済
ETC決済は、主に高速道路の通行料金所で使われる仕組みですが、コインパーキングでも活用できます。
仕組み
- 入庫 車に搭載されたETCカードをシステムが読み取り、ゲートが開いて入庫できます。
- 精算 出庫時に、ゲートを通過する際にETCカードをシステムが読み取り、自動で決済が行われます。
- 出庫 支払いが完了した後、ゲートが開き、出庫できます。
キャッシュレス化のメリット
集金する人手が不要になる
現金の回収や釣り銭のやり取りが不要になり、集金業務にかかる人手や時間を削減できます。また、現金管理によるミスや不正を防ぐことができます。
新紙幣への対応がいらない
新紙幣が発行された際に、それに合わせて精算機を更新する必要がなくなり、コストや作業負担が軽減されます。
インバウンド需要に対応できる
日本は海外に比べてキャッシュレス化が大幅に遅れています。キャッシュレス決済を導入することで、「現金がないため利用できない」というインバウンド需要に対応でき、観光客も利用しやくなります。
利用者の利便性が向上される
スマートフォンやカードで決済できるため、利用者はスムーズに精算できます。さらに、紙幣が詰まる、釣り銭が足りないなどのトラブルが起きる心配もありません。
マーケティングに活用できる
利用履歴などのデータを活用して、ターゲットを絞ったマーケティングが可能になります。
キャッシュレス化のデメリット
セキュリティ対策が必要
キャッシュレス化によって、アプリへの不正ログインや情報漏洩といったリスクが発生します。また、QRコードが偽造や改ざんされるリスクもあります。
これらの対策として、システムの定期的な更新や監視、信頼性の高いシステムの導入など、セキュリティ強化に注力することが求められます。
初期費用がかかる
キャッシュレスシステムを導入するには初期費用がかります。さらに、手数料や通信費といったランニングコストも発生します。
しかし、キャッシュレス化によって利用者の利便性が向上し、リピーターの増加や集金の人件費削減、さらには新紙幣への対応が不要になることで、長期的にはコスト削減や効率化が期待できます。
まとめ
今回はコインパーキングのキャッシュレス決済についてお話ししました。特に、これからの時代、労働人口の減少や消費者の利便性向上が求められる中で、キャッシュレス化はさらに進んでいくと予想されます。
駐車場の運営においても、キャッシュレス決済を導入することで、効率化やコスト削減が可能になります。利用者にとっても便利で、管理側にとっても負担が軽減されるため、ぜひこの機会にキャッシュレス決済の導入を検討してみてください。