
駐車場経営を安心安全に行うためには、リスクに備える「保険」の加入が重要です。
そこで今回は、駐車場経営者が検討すべき保険をご紹介します!
駐車場経営に保険は必要?
駐車場経営には、設備の不具合、利用者とのトラブル、自然災害など、さまざまなリスクが潜んでいます。その原因も、管理者側のミスだけでなく、利用者の過失や予測できない天災など、幅広く想定されます。
こうした万が一の事態に備えるためにも、保険への加入をおすすめします。
さらに、駐車場の経営形態や設置している設備によって、必要となる保険の種類は異なります。
どのような保険があり、どんなリスクに備えられるのかを把握しておくことで、安心して経営を続けることができます。
駐車場経営に関する保険
駐車場経営者が検討すべき代表的な保険と、それぞれの特徴・注意点をご紹介します。
一覧表
加入対象 | 補償対象 | 補償対象外 | |
---|---|---|---|
施設賠償責任保険 | 全ての駐車場 | 駐車場利用者・第三者 | 施設の修繕費 |
動産総合保険 | コインパーキング | 駐車場内の機器・現金 | ・加害者が判明している場合 ・経年劣化 ・地震、噴火、津波による損害 |
機械保険 | 駐車場機器を設置している駐車場 | 駐車場機器の故障の修理費用 | ・盗難による損害 ・経年劣化 |
火災保険 | 建物内の駐車場 | 自然災害による建物の損害 | 地震、噴火、津波による損害 |
自動車管理者賠償責任保険 | 有人管理の駐車場 | 駐車場で預かった車 | 駐車場管理者に非が無い場合 |
施設賠償責任保険
駐車場の構造上の欠陥や運営者の不備が原因で、利用者や第三者に損害が生じた際に補償される保険です。
■想定される事故例
・駐車場の看板が落ちて歩行者にケガをさせた
・設備の老朽化が原因で利用者の車に傷がついた
この保険は被害者に対して支払われるものであり、壊れた施設自体の修繕にかかる費用は補償されません。
また、被害者の故意や自然災害による損害も対象外です。
動産総合保険
駐車場内の機器や現金が、突発的な事故で損害を受けた場合に補償されます。
■想定される事故例
・精算機内の現金の盗難
・駐車場設備の盗難
・火災や落雷などの事故による損害
加害者が誰か不明な場合にのみ保険が適用されるため、加害者が判明している場合は、動産総合保険の対象外になります。
機械保険
駐車場内の機械設備が故障した際に、その修理費用がカバーされる保険です。動産総合保険との大きな違いは、機械の不具合によって与えた損害に対して補償されることです。
■想定される事故例
・ゲートやロック板の故障
・停電などによる設備の障害
なお、経年劣化による故障は対象外となります。
火災保険
建物内の駐車場(マンションや施設の1階など)での自然災害による損害をカバーします。
■想定される事故例
・以下のような自然災害による建物の損壊
火災、落雷、爆発、台風、水災、雪災 など
自然災害の多くは火災保険で補償されますが、地震や津波による損害は対象外となります。
自動車管理者賠償責任保険
駐車場で預かった車両に対して、駐車場運営者側の過失により損害が発生した場合に補償するための保険です。
■想定される事故例
・預かっていた車両が盗まれた
・駐車場スタッフが車を移動させる際にぶつけた
無人運営の駐車場では、通常この保険の加入は不要です。
まとめ
駐車場経営には、設備の故障、盗難、自然災害、利用者とのトラブルなど、さまざまなリスクが潜んでいます。それぞれのリスクに対応するために、加入すべき保険の種類も多岐にわたります。
経営形態や設備内容に応じて、各保険の補償範囲や対象外項目をよく確認し、必要な保険を選んで適切に備えましょう。

経営形態や設備の内容が変わることで、新たなリスクが発生したり、これまで加入していた保険の補償範囲が合わなくなることもあります。
そのため、経営状況の変化に合わせて、定期的に保険内容を見直すこともおすすめです!