
本記事では、機械式駐車場を導入する際のメリット・デメリットやコストについて、実体験も交えながらご紹介します。
機械式駐車場とは
機械式駐車場とは、車両をパレット(台)に載せ、機械によって上下・左右に移動させて駐車するタイプの駐車場です。
スペースを立体的に活用できるため、限られた敷地内で多くの車を収容できるのが特徴です。
主に、都市部のマンションやオフィスビル、商業施設など、地価が高く駐車スペースを確保しづらい場所で多く導入されています。
種類
機械式駐車場には主に、「二段・多段式駐車場」と「タワー式駐車場」の2種類があります。
二段・多段式駐車場
駐車スペースを上下に2段以上に配置した形式で、パレットを上下または上下左右に移動させて車両を収納します。
地下部分を活用する「ピット式」も、この形式の一種です。

タワー式駐車場
車をパレットに載せ、タワー内部で垂直方向に移動させて収納する形式です。
「エレベーター式」とも呼ばれ、省スペースで多くの車両を収容できる点が特徴です。

特徴
メリット
限られた土地で多くの車両を収容できる
機械式駐車場の最大のメリットは、限られた敷地内でより多くの車を収容できる点です。
特に地価が高く、スペースが限られている都市部では非常に重宝されます。
セキュリティ面に優れている
機械式駐車場では、利用者以外が車に近づけない仕組みになっており、いたずらや車上荒らしなどのリスクが低減されます。
特にタワー式では、車が外部から見えないため、さらに防犯性が高くなります。
車体が汚れにくい
機械式駐車場では、最上段以外はパレットが屋根代わりとなるため、雨や雪の影響を受けにくく、車体が汚れにくいというメリットがあります。
ただし、地下に収容される場合は浸水のリスクがあるため、立地や排水対策にも注意が必要です。
車内が暑くなりにくい
上記と同様に、パレットが屋根の役割を果たすため、直射日光が遮られ、車内の温度上昇が抑えられます。
特に近年の厳しい猛暑の中では、車に戻ったときの暑さがかなり軽減されるので、乗車時のストレスが大幅に減ります。

私自身、夏場はあえて機械式駐車場を選ぶようにしています!
車内の温度が高くなりにくいため、エアコンの効きが良くなり、結果として燃費の向上にもつながっている気がします。
デメリット
操作が複雑で時間がかかる
駐車するだけで完結する平面駐車場に比べて、慣れるまで機械の操作が複雑に感じられることがあります。
また、パレットが所定の位置に移動するのに時間がかかるので、入庫・出庫に時間がかかります。
車両サイズの制限
収容できる車両サイズには制限があります。
サイズを超えた車両が入庫してしまうと、天井や壁、他の車両に接触する恐れがあります。
事故のリスク
機械式駐車場は注意点が多く、事故が発生するケースもあります。
例えば、装置内に人がいることに気づかず操作してしまい、挟まれる・落下するといった重大な事故が報告されています。
入庫が難しい
パレット上に正確に車を停める必要があるため、運転に自信がない人にとっては入庫が難しく感じられます。
また、利用者が多い場合は順番待ちが発生し、焦ってしまうこともあります。

高齢者や運転に慣れていない若者など、駐車場の利用者層をあらかじめ把握し、適切なサポート体制を導入することで、トラブルの防止につながります!
コスト
建設費
多段式は1台あたり約100万円、タワー式は1台あたり約350万~500万円が相場になります。
敷地条件や仕様によって変動しますが、タワー式は構造が複雑なため、費用も高くなる傾向があります。
維持費
定期点検・修理費用に加え、パレットを動かすための電気代などが発生します。
規模や稼働率によって異なりますが、一般的には1台あたり年間約10万円程度が目安です。

上記はあくまで目安であり、実際の費用はメーカーや地域、設置環境によって変動します。見積もりを取って比較検討することが重要です。
まとめ
機械式駐車場は、限られた敷地でも効率的に多くの車両を収容できる点が大きな特徴です。
形式には主に、二段・多段式駐車場とタワー式駐車場があります。
省スペース性に優れているほか、防犯性が高く、車内が高温になりにくいといったメリットもあります。一方で、操作の複雑さや事故のリスク、車両サイズの制限など、機械式ならではの注意点も存在します。
また、平面駐車場に比べると、導入費用・維持費のいずれも高額になる傾向があります。

導入を検討する際は、こうしたメリットとデメリットを正しく理解し、適切に運用しましょう!