今回は、コインパーキングの種類ごとに、仕組みやコスト、特徴を詳しく解説します。この記事を読めば、あなたのビジネスにぴったりのコインパーキングがきっと見つかりますよ!それでは、さっそく見ていきましょう。
比較表
以下の比較表では、コインパーキングで重要な項目を整理しました。
「重要ポイント」は見落としがちなところなので、駐車場経営にぜひ役立ててください!
ゲート式 | フラップ式 (ロック式) | フラップレス (ロックレス) | ナンバー認識(チケットレス) | |
---|---|---|---|---|
駐車のしやすさ | ★★★ | ★☆☆ | ★★☆ | ★★★ |
駐車場への入りやすさ | ★☆☆ | ★★★ | ★★★ | バーゲート有:★☆☆ バーゲート無:★★★ |
利用者のリピート率 | ★★☆ | ★☆☆ | ★★☆ | ★★★ |
不正駐車の少なさ | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | ★★★ |
初期費用 | 高 | 中 | 中〜高 | 中〜高 |
ランニングコスト | 高 | 中 | 低~中 | 中〜高 |
向いている土地 | 広い土地 | 狭い土地 | 狭い土地 | どこでも |
重要ポイント! | 気軽に立ち寄る人が減ってしまう 詳細を読む | 女性客の多いお店で顧客満足度下がる可能性有 詳細を読む | ネット回線が必要 詳細を読む | 対応できる会社が少ない 詳細を読む |
ゲート式
ゲート式仕組み
まずは、ゲート式の仕組みを解説します。
- 入庫: 駐車券が発券されます。
- 駐車: 空いている車室に車を駐車します。
- 出庫:
- 駐車券を精算機に挿入すると、料金が表示されます。
- 駐車料金を精算後、バーゲートが開き、出庫できます。
事前精算を行う場合は、車に乗り込む前に精算処理を行い、出庫時はゲートが開くだけになります。ゲート式では、主に3種類の機械が設置されています。
・バーゲート
・発券機
・精算機
ゲート式のポイント
ゲート式のメリット
- 駐車スペースが広ければ広いほど、1台あたりのコストが下がります。
- 敷地が比較的広いため、駐車しやすい環境が整っています。
ゲート式のデメリット
- 出入り口付近で渋滞が起こりやすく、待ち時間が長くなることがあります。
- 入出庫の車両がすれ違えるスペースが必要です。
- 利用者が駐車券を紛失した場合、運営側は再発行の対応が求められます。
コストについて
- 初期費用:ゲートや制御システムが必要なため、設置コストが比較的高くなります。
- ランニングコスト:ゲートや制御システムのメンテナンス、故障時の修理費用がかかるため、コストが高くなります。
ゲート式駐車場は、運転の苦手な人が避けがちな傾向があります。発券機や精算機への幅寄せに苦手意識を持っているドライバーは少なくありません。このため、せっかくゲート式駐車場を導入してもいままで気軽に立ち寄っていたお客様が減ってしまうことがあります。そのため、利用者の滞在時間などを考慮したうえで導入することをおすすめします。
お客様が安心して利用できる環境を整えることで、リピート率の向上が期待できます。
フラップ式(ロック式)
フラップ式の仕組みは以下の通りです。
- 入庫: 所定の位置に車を停めると、フラップ版が上昇します。
- 精算: 精算機で車室番号を入力し、精算を完了させます。
- 出庫: フラップ版が下がったことを確認した後、車を出庫します。
フラップ版には主に3種類あります。
・フラップ版
・昇降式
・前置き式
フラップ式(ロック式)のメリット・デメリット・コスト
フラップ式(ロック式)のメリット
- 精算が完了しない限りフラップ版が下がらないため、未払いが起きにくいです。
- バーゲートが必要ないため、特に狭い土地に適しています。
フラップ式(ロック式)のデメリット
- 不具合が発生してフラップ版が下がらない場合、利用者は出庫できず、トラブルが発生する可能性があります。
コストについて
- 初期費用:フラップ版が必要で、その設置コストがかかります。
- ランニングコスト:フラップ版のメンテナンスや修理費が必要ですが、シンプルな運用であるため、全体的には抑えられます。
フラップ式駐車場は、フラップ版による転倒のリスクがあるため、高齢者や身体の不自由な方が多く利用する病院には向いていません。
ただし、バリアフリーに対応した昇降式フラップ版であればリスクを減少させることが可能です。「病院だけど駐車場の土地が狭いためフラップ式を採用したい」という場合には、昇降式フラップ版をおすすめします。
また、女性は車から降りる際にハイヒールに履き替えることがありますが、ヒールのある靴でフラップ版を乗り越えるのは非常に不安です。
女性客の多いお店の駐車場にフラップ式を採用すると、目の届かないところで顧客満足度が下がってしまう可能性があります。
フラップレス(ロックレス)
フラップレス駐車場は、カメラやセンサーを使用して駐車している車両のナンバーを検知し、管理する仕組みです。具体的には、以下のように機能します。
- ナンバー検知: 駐車場に設置されたカメラやセンサーが、車両のナンバープレートを読み取ります。
- 駐車位置の確認: センサーにより、車両が駐車スペースの枠内に停車したかどうかを確認します。
- 駐車時間の測定: センサーにより、駐車開始時刻から駐車時間を自動で測定します。
- 不正出庫への対応: 万が一、不正出庫があった場合は、撮影されたナンバープレートをもとに車両を特定します。
フラップレス(ロックレス)のメリット・デメリット・コスト
フラップレス(ロックレス)のメリット
- ロック板を乗り越える必要がないため、設備機器損傷のトラブルがありません。
- 駐車場内での事故が少なく、安全に利用できます。
- 駐車場内の掃除が容易で、清潔な環境を保ちやすいです。
フラップレス(ロックレス)のデメリット
- 利用者が精算前にうっかり車を動かしてしまう可能性があります。
- 車室をはみ出して停めると不正入庫と見なされることがあります。
- システム運用にはインターネット回線が必要で、設置や管理が求められます。
コストについて
- 初期費用:ゲート式よりはコストが抑えられますが、カメラやセンサーの導入が必要です。システムによりコストの差があります。
- ランニングコスト:バーゲートやフラップ版がないためメンテナンスが少なく、運営コストは比較的低めです。ただし、カメラやセンサーの保守管理が必要です。
フラップレスでよく見落とされる問題は、駐車場にインターネットを繋ぐための通信回線が必要であることです。フラップレス駐車場は小さい土地にも適していますが、ネット回線の設置には専門的な知識が求められます。
ただし、管理会社を利用すれば、通信回線の手配や設置を代わりに行ってくれるため、オーナーが負担を強いられることはありません。
このように、専門業者のサポートを受けることで、スムーズにフラップレス駐車場を運営することが可能です。
ナンバー認識(チケットレス)
ナンバー認識駐車場では、以下のような流れで運用されます。
- 入庫: 車のナンバープレートが撮影され、システムがナンバープレートと入庫時間を記録します。
- 精算: 利用者は精算機で自分の車のナンバーを入力し、自分の車であることを確認して駐車料金を精算します。
- 出庫: ナンバープレートが再度撮影され、認証が完了するとバーゲートが開きます。
システムごとに必要な機器が異なり、車番を認識するカメラのみで入出庫できるものもあります。ナンバー認識駐車場についての詳細は、「ナンバー認識駐車場って?」の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
ナンバー認識駐車場には主に以下の機械が設置されています。
・車番認証カメラ
・精算機 ※スマホから決済できる場合は不要
・バーゲート ※不要なシステムもある
ナンバー認識(チケットレス)のメリット・デメリット・コスト
ナンバー認識(チケットレス)のメリット
- 出入り口付近で渋滞が起きにくく、スムーズな流れを実現します。
- 駐車券紛失のトラブルが発生しないため、安心して利用できます。
- 幅寄せによる接触事故が減少し、より安全な駐車環境が提供されます。
- 車番認証で得た情報を基に来場者の動向を分析でき、マーケティングに活用できます。
- 利用者はストレスフリーで使えるため、リピート率が高まります。
ナンバー認識(チケットレス)のデメリット
- 駐車券がないため、入庫時間がわからなくなります。
- 車両ナンバーを記憶しておく必要があり、利用者によっては不便に感じることがあります。
コストについて
- 初期費用: システムの導入が必要で、機器の設置コストがかかります。精算機やバーゲートが不要な場合はその分抑えられます。
- ランニングコスト: カメラやソフトウェアの保守費用がかかり、精算機やバーゲートのメンテナンス費用も必要です。精算機やバーゲートが不要な場合は、物理的な機器が少ないため、長期的にはコスト削減が期待できます。
ナンバー認識(チケットレス)システムは、まだ普及し始めたばかりのため、対応できる管理会社が限られています。
そのため、チケットレス駐車場を採用している駐車場経営者はまだ多くありません。しかし、利用者と経営者の双方にとってメリットが非常に大きいため、普及が進み、一般化するのは時間の問題と言えるでしょう。
「駐車場機器のメーカー5社を徹底比較!」の記事では、全ての紹介メーカーがナンバー認識システムに対応していますので、ぜひご一読ください。